MTGが神ゲーな理由(全俺調べ) 目次&その1「土地システム」
マジック・ザ・ギャザリングが神ゲーな理由(全俺調べ) 目次&その1「土地システム」
一昨日、昨日とMIQだったりサウナ(かるまる)だったりで大変に忙しかったので更新ができなかった。だからというわけではないが、ちょっと長めの更新。
さて僕はいつもマジック・ザ・ギャザリング(以下MTG)というゲームを中心に遊んでいるが今回はその魅力を他TCGやDCGと比較してみたいと思う。
TCGの祖であるMTGは幾度のルール変更を実施しながら現在のルール形式になっている。個人的にはTCGの祖でありながらも、現在あるどのカードゲームよりも面白いと考えている。
今回はゲームシステム面を中心に魅力をピックアップしたいと思う。
目次
1.土地システム
2.土地システム+ロンドンマリガン
3.スタンダードローテーション
4.サイドボード
5.リミテット
6.インスタントタイミング
7.新セットの発売タイミング
8.フィールド領域の無制限制
9.スタンダードとエターナル
1.土地システム
一般的に土地システムは批判の対象になり続けてきたシステムであると思う。MTG以外のカードゲームでは土地システム(何かの行動をするためにその行動のコストを支払うことのみに使えるカードを採用させるゲームデザイン)はほぼ採用されていない。一番近いシステムはポケモンカードゲームのエネルギーがそれに当たる。
土地システムはMTGがペンシルベニア大学の大学院生のリチャード・ガーフィールドによってテストプレイをされていたときから採用されていたシステムである。
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では何故土地システムが他のTCGにおいて不採用になったのか。
その大きな原因としては土地事故と言われる、土地を引かなかった、引きすぎたによる引きムラによって勝敗が左右されてしまうことがあるという点だ。
お気に入りのドラゴンや天使を使って対戦相手と戦いたいという思いがいくらあっても、土地を引かなければプレイをすることはできないし、はたまた、十分に土地を引いてそれらのカードをプレイする準備ができたとしても、その後更に土地を引き続けてしまってもこれまた為す術もなくゲームが終了してしまうだろう。
そしてそれはプレイヤーに大きな不快感をもたらすだろう。
後続のTCGが土地システムを採用しなかったのも頷ける。
では何故そんな土地システムを今、魅力として捉えているのか?
理由は大きく2つある。
一つには、初級者・下級者が上級者に対して勝利という成功体験を積む可能性を高めるという点だ。
先程述べた土地事故による技術要素の介入の少ない勝敗の決定は、短期的視点で見た場合、初心者と上級者の実力差を埋める要素になりうる。
新しく参入した初級者はまず、ゲームに勝てないという事実に直面する。それは確実に実力差から生じる敗北だ。しかしながらその中で数をこなせば、数は少ないだろうが確実に、特段変わったことをしていないにも関わらず、対戦相手の土地事故によって勝利という甘美を手に入れることができる。
また、その甘美を手に入れないまでも、土地を使わなければ行動ができない以上、必ず土地カードは一定数以上採用されており、相手の土地事故での敗北を潜在的には常に期待できるのである。
二つ目の理由としては、土地システムが上級者が中級者・下級者に対して負けないことを強固にしているシステムだからだ。
この理由は、土地事故という技術介入の少ない要素という直前の説明と大きく矛盾すると感じると思う。しかしこれは短期的視点と長期的視点という捉え方によってその意味合いは一転する。
土地事故という要素は本来そのゲームがどういった要素で勝利・敗北につながったのかという分析をぼかす存在になる。場合によっては、土地事故によって勝ってしまった時の最悪の場合、根本的な勝敗の原因に気が付かないケースも存在する。
しかしこれが上級者であるほど、土地システムの要素を除いた勝敗の分析を可能にする。これは長期的な戦略の改善という視点においては重要な点であり、これらの要因によって上級者と中級者・下級者の構造を維持する働きとして機能する。
また、MTGは基本的にはBO3を採用しており(近年少しづつBO1が採用されるイベントも増えてきてはいるが)、1回の勝負のみで勝敗が決するわけではなく、またそもそものデッキの相性や構築の正当性等の土地システム以外の他要因を考えると、個人的には土地システムのみがそのままゲームの敗北(マッチの敗北)につながるゲームは全体の1割以下だと感じる。
とまあその1はこのへんで。
うんうん。